不動産を残すか、すべて手放すか──個人とマイクロ法人で考えるリタイア後の節税戦略

2025-11-02

税金 投資 不動産

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今年から来年にかけて不動産の売却手続きを進めているが、ひとつ思案していることがある。

――すべて手放して株式の所得だけで暮らすか。それとも、気に入っている不動産を1〜2件残すか。

節税やライフスタイルの観点から、それぞれのメリット・デメリットをじっくり考え、自分なりの結論を出したので、ここに整理しておこう。



■前提条件について

まずはじめに、このテーマに「一般的な正解」はない。

以下で導き出した結論は、あくまでも我が家にとって最適な答えである。

我が家の前提条件は次のとおり。

  • 夫婦2人世帯
  • 所得は株式の売却益と配当所得がメイン
  • 必要に応じて不動産収入も検討する
  • 支払う年金は税金とみなし、将来の受給額は考慮しない(自分で運用した方が増えるので)
  • 年に約100日ほど旅をする

■各選択肢の検討する

上記の前提を踏まえ、次の4つのパターンで考えてみた。

  1. 個人の非課税世帯
  2. 個人事業主
  3. 個人 × 法人(役員報酬あり)
  4. 個人 × 法人(役員報酬なし)

パターン1:非課税世帯

所得

株式所得のみ

費用

所得税:0円
住民税:0円
国民年金:0円
国民健康保険:約40,000円

評価

手軽さ A/節税 A/信用力 C/不動産運用 無

不動産をすべて手放し、株式運用だけで暮らすスタイル。単純な費用ではこの形が最小となる。

一方で、株式以外の不動産投資や事業活動は難しく、株式の一本で生計を立てる必要がある。

また一般的には無職なので社会的信用力が低く、将来の賃貸契約や新規クレジットカード発行時に不利になる可能性がある。

パターン2:個人事業主

所得

株式所得+不動産所得(約100万円)

費用

所得税:0円
住民税:0円
国民年金:0円
国民健康保険:約120,000円

評価

手軽さ B/節税 B/信用力 B/不動産運用 B

年間約100万円の不動産所得を得ながら、株式所得も得る形。安定した家賃収入があることは、精神的にも安心材料になる。

ただし、所得が102万円を超えると国民年金の全額免除から外れるため、実質的な上限はそこまでとなる。(もし夫婦2人分の年金を支払う場合は、次の法人パターンの方が有利となる。)

また所得100万だと、国民健康保険料も年間約12万円に上がる。

信用力に関しては無職よりは高いものの、年収が低いため限定的である。

パターン3:個人 × 法人(役員報酬あり)

所得

株式所得+不動産収入(300~400万円程度)

費用

所得税:0円
法人住民税:約70,000円
社会保険料:約310,000円
その他費用:約30,000円(会計ソフトなど)

節税効果

役員報酬・出張費などで300~400万円の経費を計上し、70〜80万円の節税が可能

評価

手軽さ C/節税 A/信用力 A/不動産運用 A

マイクロ法人を設立し、役員報酬を自分92,000円、妻45,000円とするパターン。法人を持つ手間はあるが、節税効果は最も高い。

旅と不動産投資を組み合わせることで、旅費を出張費として経費にできる(もちろん業務の実態は必要)。

行く先の経済や不動産の視点を交えて旅することで、その土地への理解が深まり、旅の満足度も高まりそうだ。

年間300〜400万円ほどの費用を計上できるため、不動産収入や株式譲渡益と相殺できる。

法人確定申告の手間はかかるが、今でもやっていることなのでそこまで負担は感じない。

*なお税理士に法人申告を依頼する場合は、別途費用がかかる点に注意。

パターン4:個人 × 法人(役員報酬なし)

所得

株式所得+不動産収入(150~200万円程度)

費用

所得税:0円
法人住民税:約70,000円
国民年金:0円
国民健康保険:約40,000円
その他費用:約30,000円

節税効果

出張費で150~200万円の経費を計上し、約40万円の節税が可能

評価

手軽さ C/節税 B/信用力 A/不動産運用 B

法人を設立するが、役員報酬を支払わずに国民年金・国民健康保険に加入する形。

この場合、社会保険料は抑えられる一方で、節税効果はやや限定的となるため、持てる不動産に上限が出てくる。

この選択肢よりは、パターン2か3の方が現実的だろう。法人を設立する場合は、役員報酬を設定してある程度しっかり節税した方が良さそうだ。

まとめと結論

整理する前は、「不動産はすべて売って非課税世帯で暮らす(パターン1)」を考えていた。

しかし数字を並べて比較してみると、マイクロ法人を活用したパターン3が、最も自分に合っていることがわかった。

自分は労働が嫌いだが、会計や経済、節税や経営の仕組みを考えるのは好きだ。

また、趣味の延長として法人経営を続けることは、社会との関わりや信用力の維持にもつながり、人生の充実度を高めてくれる。

さらに法人を運営する経験は、投資の企業分析にも大きくプラスになるのを日々実感している。

結論として、今のところは――

「個人 × マイクロ法人」でのんびりと暮らしていくのが、自分にとって最適解のようだ。


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十数年の経営者生活を経て、現在ほぼFire。「めでたしめでたし」で物語が終わった後の長い人生、どう満喫するかを探求しています。このブログでは、リタイア後の旅や暮らし、健康、思索、資産運用など、気の向くままに記録していきます。同じく「めでたしの後」を歩む人たちとつながりながら、暮らしをより良く、少しずつ充実させていけたら嬉しいです。

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